顧問社労士の役割(トラブル発生時編)
会社の人事・労務の顧問として業務を請け負う場合、
社労士は会社と契約をして業務を請け負い報酬を受けることになりますので、
会社がお客様となります。
顧問社労士の役割
労働法関連で会社と従業員の間でトラブルが起こり、その仲介役となる場合でも当然会社のためになる解決を図ることを望まれます。
従業員の訴えた内容に会社の明確な労働法の違法性があれば、それを正す方向にもっていくこともありますが、
単に、社長や上司とのコミュニケーション不足の影響で会社の方針や言動に対して不満がたまり会社に訴えてくるケースもあります。
そのような状況で話し合いをする場合、
社労士がいる会社といない会社で違いが出る時があります。
それは会社(社長や上司)と従業員が冷静になれるかなれないか、です。
コミュニケーション不足による行き違いでのトラブルで当事者のみの話し合いになると両者とも感情論になって問題解決に至らないこともままあります。(この話し合いがコミュニケーション不足解消になることもありますが、、、)
それが、第3者が間に入ることや、労働法の専門である社労士がいることで一歩引いて物事を考えられるようになり、本来の意味で問題解決ができるのではないかと思えるからだと思います。
会社にとって人材は重要な経営資源ですので、不要なトラブルを起こさず円滑な業務を進めることは会社にとっても重要な課題となります。
それを達成するサポート役として顧問社労士がいると私は考えております。
顧問社労士の立ち位置
トラブルのケースによっては社長や上司に苦言を呈することもありますし、
従業員側にも間違っていることははっきり伝えます。
従業員の中には会社の顧問社労士である私を「所詮社長の味方だろ」と思う方も当然います。
そういう方には「社長の味方ではありません。会社の味方です」と私は伝えるようにしています。
たしかに報酬の支払いで言えば、中小・零細企業であれば会社=社長からいただいているイメージで間違いではないのですが、私はトラブル解決にはそういったことを感じさせないように動くようにしていました。
社長や上司がいる場で話しにくいのであれば、場所を変えて従業員と2人で何時間も話したこともあります。
こういったトラブル解決の依頼で自分の利益を考えることができないダメ経営者でもありますが、、、(苦笑)
委託している社労士に苦言を言われれば社長も嫌な顔をすると思っていましたが、幸いなことにそういうことはありませんでした。
むしろ会社のためになったことに感謝してくれていました。
(もちろんそれを前提に動いていることが社長に伝わっていたからですが、、、)
私の顧問社労士としてのスタンスは基本会社側の立場ではありますが、会社の利益のためになるのであれば従業員の味方にもなります。
社長も従業員も社労士も、会社のため(自分を含めて)になるように動いているわけですから。
次回は行政の立ち入り調査に立ち会う社労士の役割のお話をさせていただきます。
今回もありがとうございました。