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法律は刀

こんにちは

しゃろんと申します。

社労士試験は法律の試験ですが、今回は私が参加した労働法の勉強会で法律の考え方について講師が話していたことをお話しします。

最後までお付き合いいただければ幸いです。

 

「法律は刀です。抜いて相手を斬れば自分も返り血を浴びます」

とある労働法の勉強会で講師が話した言葉です。

刀は持っているだけで威嚇になります。
自分の日頃の態度や行動で法律を知っていると相手方に伝わるだけで争いにならずに済むこともあります。
抜かずとも場を収める、これが理想です。
まぁこうならないから司法の場に発展するわけですが、、、 

 

常に臨戦態勢の従業員

とある中小企業である時から六法全書片手に出勤するようになった従業員がいました。
そこの会社は特にトラブルの種もなく、従業員ともうまくやっていて従業員が不利益を受けている状況でもありません。

その従業員の目的は、法律の勉強を始め自分が法律を知っていることをひけらかしたいためだったそうです。

周りの従業員も当初は勤勉なことに感心してその従業員を持ち上げ、本人もそれが癖になったのか、次第に法律を持ち出しては会社に改善要求をするようになり始めました。

 

中小企業と労働法

中小企業で全ての法律を把握することは現実として困難です。
従業員に言われれば無視できないと一つ一つ法律を精査すればそれだけで時間は過ぎていきます。

労働法の中には「できればやってほしい」といったニュアンスの努力規定があります。限りある資源の中で踏ん張っている会社が優先順位を無視してこれに力を注ぐのはナンセンスです。

 

少し話が逸れますが、

私は社労士時代にいろいろな企業の就業規則を見てきましたが、共通して冒頭部分によく見られる文があります。

「この就業規則その他規則に定めのないものは、労働基準法その他法令に定めるところによる

ざっくりと、「就業規則で規定しきれないから載っていないものは”労働基準法その他法令”がうちの規則だよ」ということです。

 

法を遵守するわけですから特に問題もないように見えますが、

この一文が入っているということは、極端なことを言えば、会社は労働基準法その他法令を全て網羅し理解した上でここに規定しているということです。

会社によっては関わりの少ない項目もあるかと思います。

しかし、従業員がその法律に対する会社の対応がどうなっているかと回答を求めてきた場合、この一文があることによって全く関係のなかった法律も会社のルールとなり、会社はそのための時間を費やさなければいけなくなります。

就業規則は会社のルールブックですので、これを作った側の会社が反故にはできません。

 

そのため、最近の就業規則ではこの一文を規定していないものが増えています。

 

話が逸れましたが、

結局、この従業員の行動は”会社を良くする”ではなく、”引っ掻き回す”結果となり、徐々に周囲の従業員からも疎まれるようになり居心地が悪くなったのか、自主的に退職しました。 

正しいことをするのは悪いことではありません。

しかし、むやみやたらに振りかざせば自分にもデメリットがある一例を今回はお話しさせていただきました。

今回も最後までありがとうございました。